恋愛



二人の時間


疲れた体を癒し合うかのように　日曜の午後二人は

ある場所で寄り添う

静かに目を閉じ　言葉を無くしてなおも語り合う

あせらず　ゆっくりと　ゆっくりと

一つ一つ確かめ合うように　ゆっくりと

語り合う

まわりの全てはまるで二人だけのためのように

静かで死でいるようでさえある

二人はその中で二人だけの時間を過ごす

止まった時の中で二人の秒針はゆっくりと動く

このささやかな一時が二人の全てだった

これ以上求めなかったし　それで良かった

ある夜---

二人の時の流れに歪が生じ

二人はそれぞれ彼方へと流されて行った

そして それっきりだった