ちょっぴり淋しい時 月のかけら 曇ってもいない 新月でもない それでも月は出てこない 月の無い夜 まるで全てが終っているかのような静けさ 月の出ない静かな夜 こんな夜 黒猫が一匹 街のはずれをトボトボ歩く 月の無い静かな夜 黒猫が歩く 淋しい夜 月の無い静かで淋しい夜 黒猫が歩く ふと気が付くと 月のかけらが まるで忘れられていたかのように落ちていた 月の無い静かで淋しい夜 黒猫は首をかしげながら その大きな目で 困った顔をしながら 静かに 静かに 月のかけらをいつまでも眺め続ける